■ 総てが交わるる場所 ■

「ふぅ〜…やっと着いたな。おい、ハルカ…。…ハルカ?」
アツヤが振り返るとハルカはあまりの疲労と空腹に倒れていた。
「…あっちゃ〜ん…ミーはもうダメだ〜…。」
ハルカは顔を持ち上げながらそういうと動かなくなった。
「ったく…仕方ねえなあ…。」
アツヤはやれやれとばかりにハルカを背負う。
「さてと…とりえず酒場に行くか…。」
 
 
世界各地に広がる酒場のネットワーク。その中心とも言うべき酒場がこの街にある。
酒場「King」。今日のパーティー登録制度を立ち上げ、創り上げたワンが開いている酒場である。
「ここだな…ハルカ!! 着いたぞ。」
酒場の前でアツヤはハルカを降ろし、頬を叩く。
「んあ〜…ご飯〜…??」
「ほら、しっかりしろよ。仲間を探すんだろ?そのためにここまで来たんじゃないか。」
アツヤはそう言うと酒場の扉を開ける。
「いらっしゃいアル〜。」
酒場は大勢の人で賑わっていた。戦士や魔術使い…様々な冒険者が仲間との出会いを求めて集まっている。
アツヤはハルカを引きずりながらカウンターに腰掛ける。
「いらっしゃい。何にするアルカ?」
マスターというには若いワンが話しかける。
「とりあえず後ろで転がってるのに何か食べさせてやってくれ。あと酒な。」
「りょーかいアル。」
ワンは慣れた手つきでグラスに酒を注ぎ、アツヤに差し出す。
 
「さてと…仲間を探さないとな。」
コップに入った酒を飲み干すとアツヤはワンに話しかけた。
「マスター。仲間を探しているんだが誰かいいやつはいないか?」
アツヤの言葉にワンはコップを磨いていた手を止める。
「仲間探しアルカ。どんな職業が良いアル?見たところ剣士と魔術使い…ってとこアルが…」
「いや、俺は魔術剣士…マジックナイトなんだよ。」
アツヤは指先に炎を灯らせてみせる。
ワンは目を少し大きくし、珍しげにほうほうと頷く。
「マジックナイトとは珍しいネ…じゃあ、プリーテス…なんてのはどうアルカ?」
「プリーテスって??」
サンドウィッチにより復活を遂げたハルカは首を傾げて尋ねる。
「まぁ、白魔術師の一種アルヨ。信仰に属する職業だからあまり有名ではないけどネ。でもマジックナイトと魔術師では回復役がいないからバランス良くなるヨ。」
「おぉ〜☆ それは是非とも仲間に欲しい!!ねっ、あっちゃん♪」
「確かにな…しかし、そんなに都合良くいるのか?」
その言葉をワンは指を振りながらのウィンクで否定する。
「心当たりが無ければ提案しないヨ♪ まぁ、ちょっと訳有りなだけヨ〜。でも、それはお互い様ってことアル。」
ワンが言いながら指差す方向にはアツヤの剣。
まるで不意に傷に触れられたかのようにアツヤは表情が少し曇る。
「…さすがは酒場ネットワークの創設者って事か。情報が早いな。」
「褒め言葉ありがとうアル。大丈夫、悪党を紹介したりなんかしないアルから♪」
ワンはそういうと一枚の小さな紙と少し錆びた鍵を一つ渡す。
「明日、そこに行って欲しいアルヨ。話は通ってるし、いい子だから安心するアルヨ。今晩はここに泊まっていくといいアル。」
紙には地図が書いてあった。鍵は二階の部屋の鍵らしい。話終えるとワンは再び、グラスを手に取る。
「いい子…って事はマスター、会った事あるんだね。どんな人なの?」
「それは会ってからのお楽しみアル♪」
ワンはハルカの問いかけに悪戯っぽい笑顔で返した。

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