■ 朽ちぬ夢 ■

「いらっしゃいアル〜。」
様々な人々が集まる酒場「King」。今日も多くの冒険者で賑わっている。
「なるほど…じゃあ、このナイトなんかどうアルカ?」
冒険者を探すなら酒場…これが冒険者の中の常識である。
「じゃあ、パーティー結成アルネ!おめでとうアル♪じゃあ、早速登録を…」
そして、結成したパーティーは酒場で登録する。すると世界の酒場で情報の提供や様々な依頼が受けられるようになるのだ。
「マスター!!酒持って来てくれよ!!」
「はいはい、ただいま!」
もちろん、普通の酒場としての利用者もいるので賑わいは絶えない。
 
「…今日も忙しかったアルネ〜。まぁ、ワタシが作った制度がうまく働いている証拠アルネ♪」
この酒場の店主、ワンは閉店後の後片付けをしながら一人満足していた。
「これで終わりアルネ…よし!…ちょっと休憩アル。」
ワンは片隅の椅子に腰掛け、ふと胸ポケットに手を入れて目を閉じる。
「…あれからもうこんなにも時が経ったアルネ…。」
 
「みんな!早く行くアルヨ!!」
光に満ちた空間に今よりも若い姿のワンが走っている。
「こらこら。そんなに急ぐこともないやろ。」
「はぁ…まったく…いつまでもガキなんだから。」
「まぁまぁ…いいじゃないですか。」
後ろから歩いてくる3人の影。
「ワタシは世界の全てが見たいアルヨ!時間は待ってくれないアル!!」
ワンは飛び跳ねながら3人に叫ぶ。
「時間ねぇ〜…まぁ、何かの縁だしね。付き合ってあげるわ。」
一足飛びで影から飛び出した少女が走り出す。
「まっ、しゃーないわな。リーダーはワンやさかいに。」
頭を軽く掻きながら観念したかのように青年も走る。
「大丈夫ですよ。私たちの行く道には精霊レアの祝福があります。」
長身の青年も続く。
「張りきって行くアル〜〜〜!!」
光の彼方へと走っていく4人。その顔は全員が希望に満ちている。
 
 
「…ん?…寝てたアルネ…。懐かしい夢アルヨ…。」
少し目を擦りながら立ち上がるワン。
「よし…明日も頑張るアルヨ!」
ワンが立ち去った跡に何かがひらりと椅子に舞い落ちた。
昔の仲間と写っている写真…それは再びの旅立ちを意味していたのかもしれない。

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