改装終了記念イラストお礼に贈らせて頂きましたっ!

 今、ワンをリーダーとするこのパーティは次なる目的地を目指すため、街道を歩いていた。
「だぁーからあんたとは……っ!!」
「私はあんたの思考能力を考えて……っ!!」
 歩きながら小競り合いをしていたルイムとマイカが立ち止まり、本格的に喧嘩を始めた。
 パーティの大黒柱でもあるワンは、そんな二人に歩きながら注意を促す。
「二人ともこんな道端でケンカはやめるアル!」
 それをよそに、ハルカはいつの間にかカメラで遊んでいた。
「……ハルカ、お前何してるんだ?」
 明らかに呆れた声色でアツヤが声を掛ける。
「写真を撮ろうとしてるんだよ。」
 ハルカはアツヤのそんな態度にどこ吹く風の如く、カメラをいじっている。
「そんなカメラ、どこに持ってたんですか?」
 リトがカメラを指差し、ハルカに問いかける。
「これね、さっき拾ったんだよ。結構古いけどまだまだ使えるみたい。」
「フィルム、入っているの?」
 ハルカより後ろにいたフヅキが3人の会話に入ってくる。
「みたいだよ〜。あ、でも。あと1枚しか残ってないみたい。」
「それ、どこかで……。」
 カメラを凝視していたリトが何かを思い出すようにつぶやく。
「それよりハルカさま、あの二人を止めてください! あのままでは今日中に辿り着けなくなってしまいますわ。」
 リトの言葉を遮るようにルカがハルカに声を掛ける。
 クスカはルカの隣で空を仰ぐように見つめていた。
「あっ、ごめんよ。1枚だけ……。」
 ハルカが慌ててカメラを構えなおす。
「お前なぁ……。」
 アツヤはハルカの言葉に呆れ返り、カメラを構えたハルカを見つめる。
 その前にはルイムとマイカが依然として言い争いを続けていた。
 そんな2人の態度に、温厚なワンもついに怒りだした。
パシンッ!
 2人に注意を向けさせるように、胸の前で拳と掌を叩き合わせる。
「いい加減にしないと……ワタシ本気で怒るアルよ?」
 だが、2人とも、そんなことにはお構いなしで喧嘩を続けていた。
 ちょうどそのとき、ハルカの構えていたカメラのシャッターがおりた。

ぱしゃ!

「思い出した! それはものまね師の……ッ!!」
 リトがいい終わるか終わらない内に異変は起こった。
「ハルカ、この忙しいときに写真なんて撮っている場合じゃないアル!」
 ハルカがワンに向かって叫ぶ。
「うひゃあっ! ワンさん、ごめんなさいっ!」
 今度はワンがハルカに向かって叫ぶ。
 この光景を目の当たりにしたメンバーに沈黙が広がる。
「ワ、ワンさん……?」
 アツヤが恐る恐る声を掛ける。
「何アルか?」
 そう答え、アツヤの方を振り向いたのはハルカだった。
「あ、あの。み、皆さん、おおお落ち着いてくださいね?」
 一番慌てつつ、ルカが周りを落ち着かせようとする。
「……どうしてワンさんがミーの姿をしてるの?」
 正気に戻ったハルカが自分の姿を指しながら聞いてくる。
「あの、実はあのカメラ、ものまね師が本格的にものまねを極める為に作り出した精神転移装置なんです……。」
 リトが慌ててみんなに説明する。
「どういうこと?」
 ルイムが不思議そうに首をかしげる。
「ハルカ兄ちゃんとワンさんの精神が入れ替わっちゃったってこと、だよね。」
 クスカが簡略化し、リトがそれに頷く。
「それで? どれくらいでもとに戻るの?」
 フヅキがため息をつきながら、リトに問いかける。
「それが……フィルムの状態によって戻る時間がまちまちなんです。だからなんとも……。」
 リトがそう言いながら、申し訳なさそうにしゅんとする。
 そんなリトにアツヤがそう背負い込むな、と頭をなでた。
「じゃあ、しばらく、ミーはワンさんのままなんだね!?」
「ハルカ! ワタシの姿でミーとか言わないで欲しいアルっ!」
 何故だか嬉しそうに騒ぐハルカにワンが見当違いな突っ込みを入れたそのとき、ぼふん、と煙が二人を包んだ。

「ケホケホッ……もぉ、一体なんなのさ!?」
 煙に咳き込むハルカを見て、戻ったと安堵すると同時に怒りがふつふつと浮き上がるメンバーたち。
「さて、ハルカ。よくもワタシを入れ替えたアルね!?」
 ゲイン、とワンがハルカに拳骨を喰らわせる。
「ハルカぁー! ワンさんを巻き込むなぁっ!!」
 ゴイン、とルイムは愛武器円月輪を、マイカは愛銃MAGでハルカに一発ずつ見舞う。
「お前って奴は、一体、何をしでかしたら満足するんだぁ!!」
 今度はアツヤがゴツン、と拳骨をお見舞いする。
「まったく、被害がなかったからよかったものを……。ハルカ、今度こんなことがあったら、容赦しないわよ。」
 フヅキは半ば呆れたように忠告する。
「おふたりとも、元に戻ってよかったですわねぇ。」
 ルカはのん気に戻ったことを単純に喜んでいる。
「本当にハルカ兄ちゃんといると、退屈しないでいいよ。」
 クスカはちょっぴり皮肉が入りながらも、戻ったことを喜んでいた。
「うぅ、ごめんよぉ……。」
「私の方こそごめんなさい……。もう少し早く思い出していれば……。」
 リトがメンバーの反応を見てつぶやく。
「あら、リトちゃんのせいじゃないわよ。」
「そうそう! このバカが勝手にやったことなんだから!」
「あぁっ! もう、陽が暮れるアル! これもハルカのせいアルよ!!」
「罰として一晩火の番な。」
「そんなっ……!?」
「これでチャラにしてやるんだから、ありがたく思えよ? さぁ、キャンプする場所を探して来いっ!」
「えぇ!? あっちゃんひどいよぉー!」

 こうして今日もこのパーティはにぎやかだった。

手家転々の弥勒桔梗様に改装終了記念イラストお礼に贈らせて頂きました。
写真.Verの方のシナリオ(桔梗様作)を基にしたこの小説を
お礼として贈らせて頂きました。
Writer:桜河優

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品物

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