222番キリリクに頂きましたっ!
影華〜かげばな〜 その後 再会の花 里を出てから、早一ヶ月。 人里離れたこの村は居心地が良かった。 今までの事を全て水に流す覚悟でやってきたここは、何も証そうとしない破散を快く受け入れてくれた。 ”忍者”を捨てた今では、もうあのころの事が夢のようだ。 一ヶ月という短い期間でここまでものの見方が変わってしまうなんて正直今でも信じがたいが、それも事実。 少し前まで殺す気満々でいたあの女忍者はどうしているだろうか。 今だに自分を殺す気でいるんだろう。 それでいい。 それ相応の事をしでかしたはずだ、あの両親は。 麻寧にとっての両親の死は、自分の両親を殺しただけではすまされない程の者だったのだろう。 (それにしても馬鹿だよな) 自分もあいつも。 *** 晴天。 よく晴れた日の朝早く。 今日もいつもと同じような一日が始まろうとしていた。 「こんなに晴れるのも珍しいな」 比較的日当たりの悪い家の縁の下。 破散は空を見上げて小さく呟いた。 たんっ 不意に、上から軽やかな足音が聞こえてきた。 破散が疑問に思う間もなく、足音は人を連れて庭へ侵入して来る。。 「随分田舎臭くなったわね」 開口一番に飛んできた言葉は、予想以上のものだった。 鮮やかな紅い髪を一つに結った、見覚えのある女忍。 「お前はちっとも変わってないな」 意地悪く言う。 いきなり出てきたのには多少驚いたが、今までの十数年の間に比べればそこま驚くことでもない。 「何しに来たんだ、こんな田舎まで。まさか俺を殺すためにわざわざ来たんじゃ無いだろうな」 「違うわ、仕事よ。それにもうあんたを殺そうなんて思ってないし。過ぎたことでくよくよしてるなんてて馬鹿みたいじゃないの」 驚いた。 麻寧の言葉は正直予想外だった。 「中身は変わったんだな、それでも。それよりこんな所に何の用事があるんだよ」 「正確に言うと”ここ”じゃなくて”破散”に用があんのよ。・・・今回の仕事はあんたを私たちの里に迎えることよ」 呆れたような顔をして、麻寧は溜息をついた。 だが、破散にとってそれはあまりにも唐突な事。 「・・・おい、本気か」 よくもまあ元敵里の忍者を迎え入れるなんて大技かますんだ。 「本気でしょ。言っとくけどうちの首領人を見る目は確かよ」 「・・・・ありえねぇ」 「あたしも最初聞いたときは驚いたけどもう逃げらんないわよ。あれは一度言ったことは絶対やり通すから。これで断ったらあんたは毎日里の忍者に追いかけ回されるでしょうね」 「・・・お前キャラ変わったな」 「そんなことは良いのよ。どうすんの?」 「嫌だ」 「往生際が悪いわね。こんな所で田舎暮らしするよりよっぽど良いと思うけど」 それはそうだ。こんな所で毎日過ごすよりも忍者に戻った方が充実するにきまってる。 それでも。 「絶対いかねぇ」 「・・・頑固ね」 ***** 「・・・仕方ないわ。そこまで嫌だって言うんなら奥の手を使うしかないわね」 「は?」 ***** 「てめえ・・・端っから見逃すつもりなんて無かったんだな」 有り得ない。 破散は後悔した。 あれからずっと麻寧との言い争いは収まらず、「奥の手」などと言って、あらかじめ盗んでおいた印をあろう事かその場で首領へと飛ばしたのだった。 「いいじゃない。どうせあの首領は諦めないんだからさっさと降参しといた方が身のためよ」 かくして、また新たな生活が始まるのだった―――――― 影華〜かげばな〜 再会の花 完 |
じゅんの浅野ゆめな様に222番キリリクに頂きました。 |
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